大豆が『畑の肉』と呼ばれる理由
1712年にオランダの植物学者ケンペルがヨーロッパに大豆を伝えました。その後ドイツで、大豆は「畑の肉」とネーミングされました。それは、大豆が肉に匹敵する量のたんぱく質を含んでいることがわかったからです。たんぱく質は人間の筋肉や内臓やなど体の組織などを作っている成分であり、生命維持に不可欠な重要な栄養素です。必須アミノ酸をバランスよく含むたんぱく質を、栄養価の高い“良質のたんぱく質”と呼びますが、肉や卵はこの良質のたんぱく質を豊富に含む代表的食品です。一般に植物性食品のたんぱく質は栄養価が劣りますが、大豆のたんぱく質は肉や卵に負けない良質のたんぱく質です。しかも大豆には他の作物よりずっと多い量のたんぱく質が含まれています。また、大豆たんぱく質の消化吸収率は、納豆で91%、豆腐では95%であり、とても効率のよい食品といえます。ちなみに、アメリカでは大豆を「大地の黄金」と呼んでいるそうです。
様々な栄養成分が凝縮されている大豆
世界の最長寿国になった日本。この要因の一つとして注目されるのが、栄養バランスの良い日本食です。日本人は古くから、米、魚、大豆などを食べ続けており、大豆をうまく食生活に取り入れてきたことも、現在の長寿につながっていると考えられます。次のグラフのように、大豆(乾燥)の約30%はたんぱく質です。この大豆たんぱく質は、必須アミノ酸がバランスよく含まれた良質なものです。大豆たんぱく質には、血中コレステロールの低下作用、肥満の改善効果などの生理機能があるといわれています。また大豆には、脂質、炭水化物、食物繊維、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、ビタミンE、ビタミンB1、葉酸など様々な栄養素が含まれます。一方、大豆はコレステロールを全く含んでいません。このようなことから大豆は自然のバランス栄養食ともいえます。
大豆の栄養について
大豆のたんぱく質が肉に近いものといわれているので、大豆と肉(豚肉)のたんぱく質を作る必須アミノ酸を比べて見ましょう!どのような違いが見えてくるでしょうか?
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大豆100gの必須アミノ酸(単位:mg) |
豚肉100gの必須アミノ酸(単位:mg) |
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イソロイシン:1800
ロイシン:2900
リジン:2400
メチオン:1200
フェニルアラニン:3300
スレオニン:1400
トリプトファン:490
バリン:1800
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イソロイシン:990
ロイシン:1700
リジン:1800
メチオン:820
フェニルアラニン:1500
スレオニン:950
トリプトファン:250
バリン:1100 |
必須アミノ酸を比べてみると豚肉よりも高い数値が出ているのがわかります。豚肉には脂肪も多く含まれているのでそのことを考えると、現代人のような偏食だとバランスが心配になってきます。その代わり大豆の脂肪分はコレステロールを分解してくれるリノール酸が多く含まれていますので、畑の肉大豆は健康的な食品といえます。
その他、大豆に含まれる成分
大豆には以下の効果が期待できると言われています。
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・総コレステロールを低下させる大豆レシチン
・ビフィズス菌を増殖させる作用のあるオリゴ糖
・抗酸化作用、またコレステロールなど血中脂質の低下が期待できる大豆サポニン
・骨粗しょう症の予防や更年期の不調を改善すると |
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