『うま味』を化学的に分析
外で食事をしたり、お母さんの料理が美味しいと感じるた思いでは記憶に残っているものです。「おいしい」と思う感覚には個人差がありますが、多くの人にとって「おいしさ」を感じる大きな要因は、“うま味”成分です。“うま味”成分とは主に「グルタミン酸」と「イノシン酸」で、ほかにも30数種類の物質が確認されています。「グルタミン酸」は、タンパク質の構成成分である「アミノ酸」のひとつで、天然食品の「アミノ酸」の大部分を占めています。「イノシン酸」は細胞の核の中にある遺伝子の構成成分である「核酸」のひとつです。日本人にとってなじみ深い食品でいえば、昆布の“うま味”成分の約60%は「グルタミン酸」(残りは主に「アスパラギン酸」)、鰹節の“うま味”成分は主に「イノシン酸」です。“うま味”成分は、結合した状態では“うま味”はなく、「グルタミン酸」はタンパク質から分離すると“うま味”として感じることができます。日本人の食事に欠かせない味噌、醤油は、大豆のタンパク質が発酵によって分解され、分離した「グルタミン酸」が生じるため、“うま味”を感じることができます。
『うま味』と『おいしい』の違い
味覚で感じる事ができるのは、甘・酸・塩・苦に「うま味」を加えた5つが味の基本形。これがおいしさを決定づけます。食べ物を味わうとき、人は五感(視覚、嗅覚、触覚、味覚、聴覚)を総動員し、総合的な感覚でおいしさを判断します。こうした要素のなかでも、おいしさ決定するのに最も重要なのが味です。味には「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」「うま味」の5つがあり、これを「基本味」といいます。基本味は、他の味を混ぜ合わせてつくることのできない独特の味です。
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